【住宅ローン変動金利or固定金利】「どちらが向いているか?」という視点でまとめてみました
こんにちは!
FPいずみです!!
今回は、住宅ローンの変動金利・固定金利についてです。
現在私のところでも、住宅ローンの借り方についてご相談を承る機会があります。
ご来所頂くほぼ全ての方が、YouTube動画とwebサイトの解説コラムなどで学んで来ていらっしゃいます。
特にYouTubeの影響力は絶大で、「フラット35は借り損で、有利な変動金利を検討している」とおっしゃる方が今は本当に多いです。
変動と固定のどちらが有利かなんていうのは、実際に変動金利が上がったかどうかの結果論であって、将来にならないと分からないことなので私は議論する動機はありません。
自分なりに予想はしていますが、お客様に対しては「わかりません」と申しております。
web上では金利動向といった不透明な将来予測に対して、断定的な表現をしていると捉えられてしまうようなケースも見受けられて、大丈夫かなぁと感じることがあります。
現に「今後10年は金利は上がらない」と主張している方であっても、
「実際に金利が上がっても文句は言ってこないでください」と別のところでおっしゃっています。
金利の将来動向を断言している方に追随して不利益を被っても、誰も責任は取ってくれませんからその点だけはご注意ください。
ということで、私のコラムでは『有利・不利』ではなくて、『向いているかどうか』という視点で要件をまとめてみました。
変動金利が向いている人
財産要件
・収入が高い(具体的な収入水準は地域の地価水準による)
・借入額に対して十分な財産を保有している(優遇されている住宅ローンをあえて借りる)
要は:万が一、金利が上昇し始めても月々の返済に困らず、繰り上げ返済などで対処ができる人
考え・価値観の要件
・しばらくの間、金利はあまり上昇しないと読んでいる方
・金利が上昇してもその分、収入も上がると見込んでいる方
・借入当初から元本をできる限り早く減らしたい人
・住宅ローン控除税制で差益を可能な限り得たい方
固定金利(フラット35(S))が向いている人
財産要件
・一般的な給与所得者の収入で昇給が不透明な方
・毎月の住宅ローンの返済がギリギリになる方
要は:万が一、金利が上昇し始めたときに対処できず、返済に窮するおそれのある方
考え・価値観の要件
・下記①~③に関する内容で、借入期間中に金利上昇が起こるかもしれないと考える方
①中央銀行の金利コントロールが制御不能になる可能性があると考える方
②インフレのスピード別類型を理解している方(例:ギャロップ・インフレ)
③インフレの発生原因が景気の過熱だけではないことを学んでいる方
・変動金利で元本を早期に減らしたい気持ちはあるけれど、固定で決まった金額を計画的に返していった方が安心できる方(ローン金利変動の不安から解放された生活を望む方)
・現状の1%程度の固定金利で十分だと考える方。
その他留意点
1.土地から購入なさる方へ
土地から購入なさる方は、つなぎ融資を利用する必要が出てきます。
金利が最安値をつけているネット銀行では、つなぎ融資が無い変動金利商品もあるのでご注意ください。
つなぎ融資を受けるくらいなら、銀行独自のローンで分割融資が可能な商品がありますので、そちらを利用した方が有利な場合があります。
2.インフレについて
最近、「バブルの頃の金利がこれくらいで、これからの日本ではバブルのような景気過熱は起こらないから今後10年間は金利の過度な上昇は起こらない」というような論説を耳にしましたが、過去を振り返りバブル期のことを論ずるなら、オイルショック時に発生したインフレについても触れるべきではないでしょうか?
インフレは様々な要因から発生し、スピードも異なります。マイルドなインフレかハイパーインフレかの極端な議論では、希望的観測による安心しか得られないのではないでしょうか。
このコラムをお読みの皆さまにおかれましては、インフレの要因別類型とスピード別類型とを分けて整理した上でご検討なさることをお勧めいたします。
まとめ
このように向き・不向きで見ると、
結局のところは
①財産的に、金利上昇への耐性があるかどうか
②思考的に、将来の金利上昇が起こらないと踏むかどうか
に収れんされてきます。
迷っている方は、まず①財産要件で考えるべきだと私は考えます。
万が一金利が上昇したら破たんの恐れがあるのですから。
競売になると色々と大変ですよ。
あ、もちろん今回は『変動と固定の両方が選択肢にある方』を対象にしています。
フラットしか融資審査が通らない場合は、無理のないキャッシュフロー計画をたてて住宅取得に臨みましょう。
それでは本日はここまでといたします。
FP相談、随時受付けております。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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