爆増していた原油ETF『信用買い』をしていた人たちはどうなったのだろうか
先週、WTI原油先物の5月限が暴落し、史上初のマイナス値をつけてニュースとなりました。
私は商品先物は詳しくありませんが、事前に原油価格がマイナスになるかもしれないという海外の人のコラムだかコメントだかを拝見してはいました。それが本当にマイナスに振れたので驚きました。
そして、この原油価格に関連して私が気になっていたことがありました。
それは、3月頃から原油ETFの信用買いがどんどん増加していて、
「これ信用で買っている人、危ないなぁ」
と感じていました。
原油の値動きを指数にしたETFであっても、値動きが荒くて減価もあるわけで、元々リスクの高い商品なのによく信用買いできるなぁと。
これ、さらに原油価格が下がったら大損する人が出てくるんじゃないかなぁと感じていました。
暴落直前の週、信用買い残の増加ランキング『トップ』に躍り出た原油ETF
これは株探というサイトの信用買い残の増加ランキングを示した表です。
4月17日の信用買い残の増加ランキングで上位5位のうち、なんと原油ETF(ETN)が３つランクインしているという状況でした。
原油が上がる方に賭けていた人たちの勢いの強さを伺うことができます。
ちなみに、減価の関係で長期保有には向かないため、「いつか上がる」という考えでは持たない方がよい商品です。
この後の暴落で、現物ならまだ損失は限定できていたものを、信用買いしていたために大きな損失をくらってしまった人が大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
これは国内だけでなく、中国でも、韓国でも個人投資家が（商品先物で）大やけどを負ったようです。
3月から原油価格が下がるにつれて増加していった信用買残
これは、NOMURA 原油インデックス連動型上場投信（1699、原油先物ETF）の
株価(左軸)と信用買残(右軸)、そしてWTI原油価格(左軸)の推移をグラフ化してみたものです。
現時点では信用買残のデータは、マイナス圏へ暴落前の4/17時点のものまでとなっています。
週明けになってポジションがどのように推移しているのか気になるところですが、
4/17を過ぎても持っていた勢力が退場し、急落を待っていた勢力が新たに買っているかもしれません。
先ほども触れましたが原油ETFは長期保有には向かないので、いま買うものでもないような気がしますが。
経済情勢が極めて悪いとき、相場が荒れ、一発逆転を狙いたい人が手を出す。そして…
いまのように相場が荒れているとき、大バクチを打つ人が出てきます。
お金に余裕がある人が失ってもいい金額でバクチを打つ分にはいいのでしょうけど（追証で思わぬ損失もあるでしょうが）、
余裕資産が無く、生活資金をかき集めてきて証券口座へお金を入れるような場合は本当に危険です。
2、3か月後には使う予定のある生活資金ですから、超短期勝負でお金を2倍・3倍にしようとフルレバレッジをかけたいという欲が発生します。
こうなると悪循環で、意に反して相場が逆に動き、損切りもできずに塩漬け → 損失が広がって生活財産を失う（場合によっては追証で負債を抱え込む）
という最悪のリスクを抱え込むことになります。
この一連の行動のタチが悪いところは、一人で勝手に行動するというところです。
本人も、誰に相談しても絶対に反対されると分かった上でのバクチですから、単身で相場に向かっていきます。
そして運無く相場で大損してしまい、これを一人で対処しきれずに家族へ知れ渡ったとき、家庭まで壊れてしまうということも想定されます。
私たち人間は、法人と違って「行き詰ったから清算しよう」ということはできず、どんなことがあっても生き続けなくてはいけない生き物です。
ですから、欲を追って、生活が破たんしてしまうようなリスクを負ってはいけないのです。
先月、コラムでも書きましたが、こういった荒れ相場で大きな利益を上げようと資金を突っ込むと痛い目にあうリスクが高まります。
例え財産が少額でも、それはあなたの『守るべき大切な財産』です
例えあなたの財産が、一般的な人と比べて少なかったとしても、それはあなたが保有している大切な財産です。
それをむげに失ってしまう行為に走ることは避けなくてはいけません。
財産を失ってしまってからでは私のようなＦＰにできることはほとんどなく、官公署や弁護士へ繋ぐことが主になるでしょう。
そうなる前に、ＦＰに相談してもらえたらなぁといつも思います。
生活基盤を失ってしまう程の損失リスクと、FPへ払う数千円の出費を天秤にかけて、
数千円の出費を保険と考えることもできます。
料金を頂く以上、お客様の財産をリスクから守ることを念頭にご相談させていだだきます。
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ps.この記事を書くことにしたのはですね、
知り合いの家族が、お金がないからFXで殖やすって意気込んで勉強中なんだそうですよ。
それを聞いて「危ないなぁ」と思ったので、どのくらいのお金を投資（利殖）に回しても大丈夫かチェックしてあげるよと申し出たんですね。
そしたら、「誰がそんなことにお金なんか払うか！」と一蹴されてしまったんですね。（2千円でも高いと言われてしまいました。。）
もう少ししたらFX相場に参入するそうなので、結果がどうなるのか心配ですけど、うまくいくよう祈っておくしかないですね。
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